お客様にご満足いただくために一番大切なのは、事前準備です。まずは施工前の現地調査でお客様の現状を把握し、施工の流れを頭の中で整理します。そこから必要な作業を割り出し、現地調査が終わった時点で施工当日のシミュレーションができているように心掛けています。準備が完璧であれば、当日思わぬトラブルが発生してお客様にご迷惑をおかけすることもなくなりますからね。
また、私は工事部長として現場を取り仕切る立場でもありますので、お客様とスタッフの安全を第一に考えて行動するよう注意しています。誰ひとり怪我のないように進め、その上で一つひとつの作業を確実・丁寧に進めることを徹底します。ここで言う“確実・丁寧”とは、「器具を設置する際にはミリ単位の誤差も生じないようにする」「作業終了後はビスや鉄粉のひとつも残さない」といったことです。スタッフには「もしここで自分の家族が過ごすとしたら」と想像しながら作業するように、と伝えています。

お客様に、「空調がよく効くようになったよ」「空気がきれいになったね」と喜んでいただけたときですね。何もなかったところや、古い機械が設置してあったところに立派な空調を取り付けて、そこからきれいな空気が流れてくる瞬間は、何度立ち会ってもいいものだと思います。私たちの仕事は、一度施工したら終わりというわけではありません。以前お世話になったお客様に「快調だよ」「任せてよかった」と言っていただけると、さらに嬉しいですね。
また、私は子どもが好きなので、幼稚園や保育園で作業しながら子どもたちと触れ合えるのも楽しいです。基本的に弊社のスタッフはコミュニケーションが好きな人ばかりなので、お客様からお声掛けいただけるとみんな喜びます（笑）。

何事も、一つひとつの積み重ねが大事です。私は常に継続して同じクオリティの仕事をご提供することが、お客様の信頼につながると考えています。また、仕事ではコミュニケーションも重要です。例えば大きな事務所や工場で、全体を冷やしたいのか、スポット的に冷やしたいのかで施工内容は全く変わってくるため、お客様のご要望をしっかりと聞き、ニーズを正確に把握しなければなりません。
仕事内容に限らず、施工時のふるまいも大切です。「この人なら任せられるな」と信頼していただくためにも、メリハリをつけて、やるべきことをきちんとやるよう心掛けています。私自身、普段はスタッフと冗談も言い交わしますが、「仕事のときは人が変わる」と言われるくらい、作業中は厳しく接するようにしています。

ある工場で、「従業員の方が働くスポットが決まっており、そこだけ重点的に空調を当てたい」というご要望をいただいたことがありました。
もともと、その工場の空調は“機械を天井裏に埋め込んで、天井から空気を送る”という仕組みでした。そこで私は、“天井に埋め込まず機械を天井下に露出させ、ダクトを引っ張って使えるようにする”というプランを提示。結果として「コストの削減と効率的な運用を実現できた」と評価していただけました。このように、前例にとらわれず柔軟なご提案ができるのは、弊社の強みだと思っています。

これまで5,000件近くの空調工事に関わってきましたが、簡単な仕事はひとつもありませんでした。
私はほかのスタッフと比べて体が小さく、力も弱いので、道具を使ったり手順をアレンジしたりして、自分なりのやり方を編み出す必要があります。しかし、そういったハンデがあるからこそ、お客様のご要望を叶えるための最善の方法を探る習慣がついたと言えるかもしれません。これからも常にお客様のご要望に柔軟に対応できるよう、日々の勉強を怠らずに技量を高めていきたいです。